プレゼント
もう十年以上前
息子がまだ小学校低学年くらいの頃
ショッピングモールの
通りかかったアクセサリー売場で
「この中から好きなの選んでいいよ」
と四葉🍀のクローバーのネックレス
(たしか500円くらいだった)
を指して誇らしげな顔で言った
自分の手持ちのお金で
プレゼントしてくれるということも
なぜネックレスを?
(当時のわたしは
装飾品などまったく身につけていなかった)
驚きと嬉しさの中
薄緑色を選んでプレゼントしてもらった
たぶん本人は
プレゼントしたことすら
覚えてはいまい
今では
あの頃の愛らしさは
面影もなく
そっけないやりとりが
たまにある程度の関係だが
あの時のネックレスが
わたしの宝物
いつも
かばんの片隅に
持ち歩いていることを
彼は知らない